はじめに
Numpyはプログラミング言語Pythonにおいて数値計算を効率的に行うためのモジュールで、科学数値計算にはNumpyを用いることが非常に多くなっています。このモジュールは、効率的な数値計算を行うための型付きの多次元配列のサポートをPythonに加えるとともに、それらを操作するための大規模な高水準の数学関数ライブラリを提供しています。例えば、3行3列の行列の加減乗除などが計算できます。
前記事では、Numpyにおける配列の演算、加減乗除、条件による判定について解説しました。
本記事では、配列の統計値、小数点の処理、欠損値の確認について解説していきます。
統計値
まずは、統計値について説明します。ここでは、配列の要素内の最大値、最小値、最大値のインデックス、最小値のインデックス、2つの配列の大きい/小さい値の要素の配列の生成、分散、標準偏差、合計について示していきます。
最大値:np.max()
まずは、最大値についてです。以下の例では、np.maxを用いて配列内の要素の最大値を求めています。
Input:
Output:
最小値:np.min()
次は、最小値についてです。以下の例では、np.minを用いて配列内の要素の最小値を求めています。
Input:
Output:
最大値のインデックス:np.argmax()
次は、最大値のインデックスについてです。配列の何番目の要素が最大値なのかを求めることができます。以下の例では、np.argmax(a)で求めて最大値のインデックス 5が出力されています。一番目の要素のインデックスが0であることから、6番目の要素が要素内の最大値(9)となっています。
Input:
Output:
最小値のインデックス:np.argmin()
次は、最小値のインデックスについてです。配列の何番目の要素が最小値なのかを求めることができます。以下の例では、np.argmin(a)で求めて最小値のインデックス 3が出力されています。一番目の要素のインデックスが0であることから、4番目の要素が要素内の最小値(1)となっています。
Input:
Output:
2つの配列の大きい要素の配列生成:np.fmax(a,b)
2つの配列を比較し、大きい方を取得して配列を出力します。
Input:
Output:
2つの配列の小さい要素の配列生成:np.fmin(a,b)
2つの配列を比較し、小さい方を取得して配列を出力します。
Input:
Output:
分散:np.var()
次は、分散についてです。以下の例では、np.varを用いて配列内の要素の分散を求めています。
Input:
Output:
標準偏差:np.std()
次は、標準偏差についてです。以下の例では、np.stdを用いて配列内の要素の標準偏差を求めています。
Input:
Output:
合計値:np.sum()
次は、合計値についてです。以下の例では、np.sumを用いて配列内の要素の標準偏差を求めています。
Input:
Output:
小数点の処理
ここでは、配列内の要素が小数点の場合の切り上げ、切り下げ、四捨五入について説明します。
切り上げ:np.ceil()
まずは、切り上げについてです。np.ceil()を用いて小数を含む配列内の小数点を切り上げた配列を出力します。
Input:
Output:
切り下げ:np.floor()
次は、切り下げについてです。np.floor()を用いて小数を含む配列内の小数点を切り下げた配列を出力します。
Input:
Output:
四捨五入:np.rint()
次は、四捨五入についてです。np.floor()を用いて小数を含む配列内の小数点を四捨五入した配列を出力します。
Input:
Output:
整数部と小数部の分割:np.modf()
次は、整数部と小数部の分割についてです。np.modf()を用いて小数を含む配列内の数を整数部と小数部に分割した配列を出力します。
Input:
Output:
欠損値の有無の確認:np.isnan()
以前、欠損値のnp.nanについて説明しましたが、ここでは欠損値の有無の確認を行います。欠損値の有無の確認については、np.isnanを用います。欠損値がある場合には、np.isnanで出力された真偽値の配列にTrueが格納されています。
Input:
Output:
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おわりに
本記事では、配列の統計値、小数点の処理、欠損値の確認について解説しました。本記事の処理は細かい処理でしたが、ちょっとした時に活躍する内容となっていますので、こんなのもあったなという感じで覚えておきましょう!