はじめに
OpenCVとはインテルが開発・公開したオープンソースのコンピュータビジョン向けライブラリで、画像処理・画像解析および機械学習等の機能を持つC/C++、Java、Python、MATLAB用ライブラリとなっています。
Opencvには以下のような機能があります。
- グレースケール化
- 2値化
- 輪郭の検出
- 顔検出
- ノイズ除去
- テンプレートマッチング
物体認識技術の内、人物検知・検出技術を用いて人流の分析、防犯対策、人物安全対策などを実施するケースが多くなっており、物の認識・検出はOpenCVを用いることが実施できるよういなっています。
本記事では、OpenCVを用いた画像内の顔認識、目認識、全身認識の手法の一例を紹介します。
1. 顔認識器・目認識器・全身認識器ファイルの用意
今回使用する識別モデルはHaar Cascadeで、物体検出に使われる識別器の1つです。こちらの識別モデルはOpenCVでも扱うことができます。
まずは以下のページから顔認識器である「haarcascade_frontalface_alt.xml」、目認識器である「haarcascade_eye.xml」、全身認識器である「haarcascade_fullbody.xml」を適当なフォルダにダウンロードしてください。
2. 認識対象の画像の用意
今回使用する画像は画像処理のチュートリアルでよく使用されているLennaの写真を用います。
参考:The Rest of the Lenna Story
3. 顔認識
それでは顔認識を実施していきます。
以下の例では、cv2.CascadeClassifier()で顔認識ファイルを読み込み、cascade.detectMultiScale(img)で画像に対して顔領域を探索して認識した情報を[左上のx座標(x)、左上のy座標(y)、幅(w)、高さ(h)]で返します。その後、cv2.rectangle()を用いて顔認識した座標に対して四角形を描画しています。
ここで、cv2.rectangle()について紹介します。四角形を描画するcv2.rectangle()は以下の様に用います。
cv2.rectangle(img, pt1, pt2, color, thickness=***)
引数は以下の様になります。
引数 | 内容 |
---|---|
img | 対象の画像 |
pt1 | 四角形の左上の座標(タプル型) |
pt2 | 四角形の右下の座標(タプル型) |
color | 線の色、(青, 緑, 赤)の順で記載 |
thickness | 線の太さ |
それでは顔認識した結果を見てみましょう。出力結果は以下のようになります。顔の部分を四角形で囲われていますね。
4. 目認識
続いて目の認識を行います。基本的には顔認識のコードと同じです。ただし、今回は目認識ファイル「haarcascade_eye.xml」を用いるのでその部分だけ異なります。
コード例を以下に示します。
出力結果は以下の様になります。
5. 全身認識
続いて全身の認識を行います。基本的には顔認識のコードと同じです。ただし、今回は目認識ファイル「haarcascade_fullbody.xml」を用いるのでその部分だけ異なります。
コード例を以下に示します。
今回は以下の画像を対象に全身認識します。(こちらはアメリカ・ワシントン州にあるオリンピック国立公園で撮影した写真です。)
それでは出力結果を見てみましょう。全身が写っている部分に四角の枠が描画されていて、全身認識されているのがわかると思います。
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おわりに
本記事では、OpenCVを用いた画像内の顔認識、目認識、全身認識の手法の一例を紹介しました。これらの技術を応用して人流の分析、防犯対策、人物安全対策などを実施することができますが、深層学習を用いた他の手法でも物体認識や物体検出技術があるので、そちらも確認したうえで、活用していきましょう。